忍者ブログ
攫の趣味に偏りまくったブログサイトです。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


(もしもルークがちょっとだけ賢かったら)









どうしてこんなことになっているのか。
目の前で繰り広げられている断罪大会(俺からしたらただの私刑だ)を冷めた意識を通して見る。
特にアニスはここぞとばかりに責め立てている。(自分の罪は棚上げにしてるようだ)


「ちょっと、聞いてんの?!」

「聞くに値しないだろ」


これが反省会で、自分達の不徳も認めた上で俺の責任を追及するならいい。
それもしない奴の話なんて誰が聞くか。


「…ッ、あんたってホンットサイテー!どっか狂ってんじゃないのッ?!」


どうやら精いっぱいの罵倒らしい。ボキャブラリーが少ないな。
他の奴らも似たり寄ったり。ただひとり、イオンだけが顔を青くしている。


「アニスっ…ルークは何もしていません!」

「イオン様ぁ、こんなサイッテーな奴、庇うことないですよぅ」

「そうです、イオン様。ルークには罪を自覚してもらわなくては」


罪の自覚、だあ?


「……ははっ、はははははは!!」


おかしくておかしくて、笑いが止まらなくなった。
息が切れて、腹が痛くなるまで、奴らの視線も声も気にせず、笑い転げた。


「ちょっと、何がおかしいの!!」

「ルーク、不謹慎ですわ!このような時に…王族としての自覚もありませんの?!」

「可笑しいもんは仕方ねえじゃん」


はあ、と息を吸い込んだ。(やべ、これ障気じゃん。大分吸い込んじまったよ)
怒りに震える者、奇妙な物を見る目を向ける者。
つまんねえ表情。


「お前ら、考えてみろ。
もし仮に俺がアクゼリュスを崩落させたとする。
なぜ俺はあんなところまでのこのこ行けたと思うんだ?」

「それはっ、あなたが兄の言うことは鵜呑みにしたから…」

「そうじゃなくてさ。どうして俺もイオンも簡単に着いていけたんだ?
護衛のガイは当然俺を、イオンの護衛のアニスはイオンを止めなきゃならなかった。
ティアだってナタリアだってジェイドだって、皆して止めなきゃならなかったはずだ。
なあ、どうして俺をいなくなったことにさえ気付かなかったんだ?
…お前らが仕事放ったらかして、助かりもしないような奴に追い打ちかけてたからだろ?」

「追い打ち、とはどういうことですの?!私たちは…」

「救助に必死になってました、ってか?
考えても見ろよ、ここに充満してる障気だって汚染された第七音素だぜ。
障気でいっぱいの場所で治癒術なんて使ったら、障気を吹き込むだけだろ」

「………!」


今気付きました、ってばかりに息を呑む。
あーあ、だめだこりゃ。ジェイドまで同レベルだし。
…和平は無理かな。


「だったら!どうしてその時に言わなかったんだ!」

「お前らが俺に何か教えてくれたかよ?
どうして何も教えてくれないような奴らに、俺ばっかりが教えてやらなきゃならないんだ。
どうして教えなかったことを責められなきゃいけないんだよ?」


ガイの顔が見る見る紙のように白くなっていく。
…ティアとかアニス辺りは、理解していない。
イオンが、重々しげに口を開く。


「ルークは、何もしていません。
ツリーは、ヴァンが譜業を使って破壊しました。
…すいません、僕が扉を開いてしまったから…。」

「そ、そんな、イオン様!どうしてそんな…。」


アニスがイオンに向かって手を伸ばす。
しかしイオンはそれを振り払って、逃げるように俺の方へ駆けてきた。


「アニス、貴女たちはルークが破壊したという現場を見ていません。
誰がどのようには破壊したか、見ていたのは僕とルークだけです。
どうして声高にルークを責め立てることができるのですか?」

「そ…れは…アッシュが…」

「アッシュは六神将です。貴女たちの敵でしょう。
…貴女は、僕よりも敵であるアッシュを信用するのですね…。」


悲しげに、でもそれでも冷たい視線を向ける。
その視線をまともに受けたアニスは青くなってその場で硬直した。
そんな中で、ティアだけはまだ喚いている。
俺はため息をついて、タルタロス内部に続く扉を開いた。


「イオン、お前、こんな中じゃきついだろ。中に入ろうぜ」

「すいません…ルーク」


導師を気遣うことを忘れちゃ、導師守護役もおしまいだな。
そう残して、俺たちは体を休めようと中に入った。




確証など何処にも有りはしない






PR




TALES OF THE ABYSS     *…PTキャラに厳しめ

*彼女の微笑は何人にも犯されず  ナタルク?
*被害者は加害者に救いの光を齎すか  オリキャラ有
*偽者だあれのかくれんぼ イオルク
*何を以て正義と断ずるのか 突発話
太陽に還るこども 短め、シンルク
グランギニョールの幕開け シンク視点、アリエッタ狂気


現代パロディ 設定

彼のものは何も語らず  現代パラレル。シンルク
僕らの先生事情 ルクアリ、ヴァン変態注意報
別れよ、(どうかこないで僕のもとに) シンルク、シリアス風味、フリー


7000代リク(フリー期間:小説完成日〜)
※期間を過ぎてからはリクエストされた方のみお持ち帰り可※

舞台上のかみさま 『グランギニョールの幕開け』続編
*信ずるべきはいつも 仲間厳しめ、アッシュ敵側
君に罪などないシンルク、アクゼリュス自然崩落、イオンと入れ替わり






テニスの王子様

熱地獄の中に見た夢 菊←リョ




復活



junk

こばなし集
 :深淵3本

過去拍手ログ
 :第一回拍手収納








(ダアトでナタリア救出後。PTメンバーレプリカ組が被験者、被験者組がレプリカ設定)







「きゃあぁぁぁあ!!」


耳障りな絶叫が谺する。
栗色の髪を振り乱して逃げ惑う姿は滑稽で、ひどくルークの笑いを誘った。


「ティア!?…ルーク、あなた何をしますの!!」

「別に、不敬な犯罪者に仕置をしただけだ」


何をそんなに騒ぐのか分からない。
偽者とはいえ、一国の王女ともあろうものが罪人を庇い立てするなんて。
その前に、どうして捕まる前にさっさと国に帰らなかったのか甚だ疑問だが。


「あんたの態度が悪いからでしょ!
なによ、アクゼリュス崩壊させたくせに、少しは反省しなさいよね!」

「俺を犯罪者っていうならお前も反省しろよ、アニス・タトリン。
まさか罪の意識さえないのか?大体、アレは自然崩落だって何回言ったら分かる」


びくりとアニスの体が大げさに震える。(こいつはスパイには向かないな、すぐ表に出る)
なるほど、罪の意識だけはあるようだ。
それが行動に繋がらないなら無意味だが。


「ば、バカじゃないの!やっぱレプリカってどっかおかしいんじゃない!!」


虚勢にも似たような言葉が飛び出す。
それがお前の切り札か、アニス?あまりに弱くて笑えるよ。
くつくつと堪え切れなかった笑い声が喉で響く。


「な、なに笑ってんのよ!」

「いや、気付かないのは罪だと思って」


なあ、イオン?
その言葉で、ティア以外全員の視線がイオンに注がれる。


「全くですね」


ひゅっ、と誰かが息を呑んだ。
傍仕えの守護役でさえ見たことのない、色も温度もない笑顔を湛えた導師がそこに居た。
その笑顔のまま、イオンがアニスに近寄る。


「…い…おん、さま?」

「確かに、レプリカはどっかおかしいんでしょうね、アニス。
貴女方を見ていると、つくづくそう思いますよ」

「…何…を……どういう…」

「私たちは被験者ですわ!」


ずい、とナタリアが割って入る。
図々しいのもここまで来ると感心する。


「刷り込みは完璧なようですね、ナタリア。いえ、『レプリカメリル』」

「?!」

「あなたは王女とすり替えられた庶民の子、メリルのレプリカ。
貴女のいう『王族の蒼い血』なんて、一滴も流れてないんですよ。
王族の証もありませんし、今までの功績の記憶も、全て被験者について残された記録を刷り込んだものです」

「…そんな…嘘、…嘘ですわ……」


愕然とした表情でその場に崩れ落ちる。
脆いものだ。
今まで築いてきたものは、全て『被験者の王女ナタリア』が築いてきたもの。
自分には何一つ残されていないと知ってしまったのだから。


「ルーク。これ以上こんな人達と一緒にいても無駄です」

「そうだな。イオン、ちょっと歩くが大丈夫か?」

「ええ。レプリカみたいに軟弱じゃありませんから」


追いかける炎から必死で逃げ回っていたティアがとうとう炎の手に捕まり、絶叫しながら乖離していくのを横目に見て、ルークとイオンはその場を離れた。
現実を突き付けられた元仲間たちはその場を動くことなく、やがて跡形もなく消え去った。





偽者は君だったんだよ




(手にしたのは借り物の毛皮だけ、早く気付けばよかったのに)





不意に、足元に譜陣が出現した。
それが何か、把握したときにはもう遅い。
ジェイドが危険を叫ぶより早くに、足元から吹き上げる激流がジェイドたちを巻き上げ、飲み込んだ。
地面に叩き付けられた衝撃でガイとティアが気を失い、ナタリアは体の自由を失う。
アニスは辛うじてトクナガを巨大化させて受け身を取ったもののダメージは大きく、ジェイドもそれは同様だった。


「あらあら、外郭大地の英雄ともあろう方々が、情けないわねぇ」


クスクスと、場の空気にそぐわない和やかな笑い声を上げる少女がひとり。
一行に向かって譜術、それも高位譜術であるメイルシュトロームを難なく放った張本人。
後ろに怯えきったルークを庇うように立ち、ジェイドたちを見つめている。


「何が…目的ですか」

「目的?そうね、強いて言うのなら…レプリカたちの保護、かしら」

「レプリカたちの…?」

「そう。貴方たち被験者の都合で殺される、レプリカの。
馬鹿よね、被験者って。障気の中和にレプリカを使う?自分たちが撒いた種なのに?
レプリカが死を知らないからって、都合よく利用しようだなんて甘いのよ」


うふふと甘い笑い声が唇から零れる。
女性はルークに寄り添い、そっとその白い手をルークの頬に触れさせる。
女性が何事かを呟いた後、ルークの姿は浮かび上がった譜陣の光に包まれて、消えた。


「ルーク!?」

「ちょっとあんた、ルークを何処にやったの!返してよ!」

「『かえして』?」


女性がこてんと小首を傾ける。


「おかしなこと言うわね。彼は貴方たちの所有物ではないでしょ?
それに、これは彼も望んでいたことよ」

「そんなはずはありませんわ…!
ルークは世界の存続のため、その身を差し出すことを決意したんですもの!」

「貴方たちがそう無理矢理決意させただけよ。
形だけの選択肢、利用するだけの仲間達。貴方たち、最初から被験者を使う気なんてないでしょ?
レプリカなんて物扱い。所詮劣化品とでも思ってるのかしら」


ふうと息を吐くと、女性の足元に先ほどルークの足元現れたのと同じ譜陣が浮かぶ。


「どうせ一度見捨てたのでしょう。だったら私に頂戴な。
…世界中のレプリカが消えたら、貴方たちに残された選択肢はただ一つよね。」


女性の言葉に、その場の全員が息を呑み、蒼褪める。


「やっぱりレプリカ頼りの中和計画だったのね?レプリカ保護法が聞いて呆れるわ。
さようなら愚かな被験者たち。私たちを利用するなんてさせないわ。
自分たちのやってきたことの酬いなのよ、自分たちだけでなんとかしなさい」


そう言うと同時。
女性の姿が、譜陣と共に弾けて消える。
はじめからなにもなかったかのように、当たりは静まりかえっている。
ジェイドたちはただ呆然とするしかない。



世界中から、レプリカが消えた瞬間だった。




女神の与える道標



(世界を救うというのなら、その手だけで救いなさい。罪なき者にその重荷を背負わせるな)




※注意※
・キムラスカ、アニス、イオン捏造です
・髭妹&被験者に対して酷いです
・髭妹は原作よりも性格悪いです
・ナタリア親善大使、ルーク見習い設定
・男性陣は空気です(ホントにいるの?)













「いい加減にしていただきましょうか」


冷たい声が、やけに響いた。
キムラスカ王族の特徴を持つ被験者ルーク。
(最も、彼は今まで鮮血のアッシュとして犯してきた犯罪のせいで、既にキムラスカからは切り捨てられている)
その被験者ルーク…アッシュが、弾かれたように声の主の顔を凝視する。

ナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディア王女殿下。

『ルーク』の婚約者であり、今回親善大使としてアクゼリュスへの慰問に赴いた王女。
共に良き国を作り上げようと誓い合った大事な婚約者、そのナタリアが、どうして自分を睨み付けているのか!
その愕然とした表情も直ぐに消え去り、憎しみを持つ者特有の奇妙な思考展開。
図々しくも(そう感じるのはアッシュだけだが)ナタリアの傍らに立つレプリカルークを憎々しげに睨み付けた。
びくりと体を震わすルーク、それを優しく慰めるナタリアとイオンを守るように、アニスがアッシュの前に立ち塞がった。
ティアはアニスの行動を見て、声を上げる。


「アニス、そのルークはアッシュのレプリカなのよ。被験者よりも劣化しているの、何をするか分からないわ。
ナタリア様とイオン様も、迂闊に近寄ると危険です!」


本人はイオンとナタリアを守る、良き軍人として振る舞っているつもりなのだろう。
だが、イオンとナタリアが不快そうに顔を歪めたことにも、ルークが悲しそうに眉を下げたことにも全く気付いていない。
イオンとナタリアに伸ばそうとした手を、怒りの表情を浮かべたアニスが振り払った。


「黙りなさい!ダアトの名を汚す重罪人如きが、馴々しくイオン様とナタリア様に近寄らないで!」

「なっ!?」


心外だとばかりに目を見開くティアに、イオンが思わず深いため息を零してしまったのも仕方のないことだろう。
しかも師団長であるはずのアッシュでさえ、ティアの考えに賛同している。
こうなるとダアトの軍人教育はどうなっているのかと疑いたくなる。最高指導者であるイオンでさえも。


「導師イオン……今年度のキムラスカよりの寄付金、期待しない方がよろしくてよ」

「言葉もありません…。」


イオンも頭が痛いだろう。
かたや首席総長の身内だからと甘やかされて増長したただの一般兵。
かたや師団長であるにも関わらず身勝手な行動ばかり取る首席総長の弟子。


全部貴方のせいじゃないですか髭!

一体なにをしやがっていますの髭!

月夜ばかりと思うんじゃねえぞ髭!


三人の心は、未だかつてないほど綺麗にシンクロしていた。完全同位体も真っ青だ。


「ナタリア、目を覚ませ!被験者は、本物のルークは俺だ!」


必死に自分の身柄を証明しようとするアッシュに対し、ナタリアの視線は冷たい。


「黙りなさいと言ったでしょう。たかが軍人の分際で王族の名を騙るなど、不敬にも程がありますわ。」

「何…を……。」

「あなたはもはや王族ではありません。キムラスカは貴方をルークとして扱いませんわ。
…王族がダアトに亡命したなどと、民にどう申せばよろしいんですの」


ひやりとした、冷たい『王族の瞳』を向けられて、思わず背筋を震わせる。
自分の知っているナタリアは、自分にこんな目を向けるような女性ではなかった。
自分がそうさせているとも気付かず、全くいい気なものだとナタリアが嘆息する。


「貴方には記憶があります。ルークしか持ち得ない、確かな記憶が。
それを以て自分こそ被験者ルークだと名乗れば、疑うものはなかったはず。
それをしなかったのです、亡命したと思われても致し方ありませんわ」

「それは!!」

「ルークがいたから、とおっしゃいますの?記憶のないルークと記憶のある貴方。
どちらを信用するかは火を見るより明らかでしょう。
…それとも、貴方の婚約者は被験者を見分ける力さえないとおっしゃるのかしら」

「あ…まさか、……知って…」


アッシュの顔がみるみる蒼褪めていく。
ようやく気付いたのかとナタリアが呆れたように首を横に振る。


「わたくしだけではありませんわ。公爵や叔母様、キムラスカ上層部は皆知っています」


ナタリアの言葉に衝撃を受けたアッシュが、顔に血液を昇らせて叫ぶ。


「ならばなぜあいつを追い出さなかった!あいつはレプリカ、只の劣化品の屑だぞ!」


あまりに傲慢で、レプリカであるルークを見下した物言い。ナタリアが思わず不快そうに眉を寄せてアッシュを見る。


「いい加減になさいませ、アッシュ。レプリカであろうと、彼はわたくしの大切な婚約者。
ルークであることを捨てた貴方が彼を侮辱するなど、到底許されることではありませんわ!」


怒りに満ちた表情を浮かべて自分を睨むナタリアを、絶望で彩られた顔で見つめる。
ルークに寄り添うその姿に、アッシュはとうとう力なく地面に両膝を着けた。
ティアが気遣うようにアッシュに駆け寄ろうとするが、アニスがそれを食い止めた。
巨大化したトクナガがティアに伸し掛かる。


「な、何をするの!」

「罪人を引き渡すに決まってるじゃん。
アンタはキムラスカの第三王位継承者であるルーク様を誘拐した。
その上今まで不敬な態度をとってきたんだよ、当然でしょ!」

「それはルークの態度が悪かったからだわ!それに誘拐の件は事故よ!私のせいでは…」

「アンタのせいじゃない!わざわざ公爵邸まで押し入って…。
…ホントならとっくに死刑になってるところなんだからね!」


アニスがいくら正論を並べ立てても、更に言い募ろうとするティアをいい加減鬱陶しく思ったか、ナタリアが護衛に連れて来た兵に命じてアッシュと一緒に拘束させる。
譜歌や譜術を使えないように、二人して猿轡を噛ませられる姿は少々滑稽だ。


「導師イオン、二人の身柄はキムラスカ・ランバルディアが預からせて頂きますわ」

「ええ。二人の処罰に関してはキムラスカ、マルクト両国に一任します。教団は一切擁護しません」

「ああ、そういえば鮮血のアッシュはタルタロスを襲撃した主犯格でしたわね。
全く、ルークへの不敬といい、カイツール襲撃といい、どこまで罪を重ねるつもりですの」

「目の前に部下の仇がいるというのに黙って見ている上司もいますしね。一体どんな神経してるんでしょうか」

「いずれにせよ、二人は死刑ですわね。ユリアの血筋も二千年でお終いですわ。
…致し方ありませんわね、こんな愚かな子孫では」


テンポよく交わされる会話を頭上で聞いているティアとアッシュが青くなっていく。
さり気なく話題に挙げられたジェイドは、下がってもいない眼鏡を直している。
ルークはちらちらと二人のことを見ているが、都合よく助けを求めるようなティアの視線には気付かないふりをした。


「御機嫌よう、アッシュ。キムラスカはわたくしとルークが支えてゆきますわ。安心して刑に服しなさい」

「ティア、貴女の遺体は兄と一緒に湿原に並べてあげます。よかったですね、死んでからも最愛の兄と一緒ですよ」


去り際に残された上品な笑顔に、アッシュとティアは力なく兵たちに引きずられていく他なかった。




冷たく揺れるは美しき金の微笑み


(罪を自覚した時には、もう既に貴方がたの首は胴体とさよならしているでしょうね)
(もしかしたら死ぬまで気付かないかもしれませんよ)




忍者ブログ [PR]
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新CM
最新TB
プロフィール
HN:
攫(サライ)
性別:
女性
職業:
学生
趣味:
ゲームとか絵描きとか文書きとか
自己紹介:
いろいろともう駄目かもしれない変な人。
可愛い子と戯れることが生き甲斐です。
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析