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攫の趣味に偏りまくったブログサイトです。
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現代パロディルクアリもどきです。
ヴァンがちょっと悲しいことになっています。
ルークがちょっとアリエッタのために微妙に黒くなってます。
現代パロが嫌いな方、ルクアリが嫌いな方、格好いいヴァンが好きな方はご遠慮下さい。



















「るぅぅくぅぅうっ!!」

「おおうっ!?」


全速力で飛び掛かってきた桃色の髪の少女、アリエッタをなんとか受け止め、危
うく崩しかけた体勢を持ち直す。
————これで転んで怪我なんてさせようものなら、お友達(アリエッタ親衛隊と
も言うべき犬猫鳥集団)が怒る!
割と必死なルークをよそに、アリエッタはひぐひぐとルークの腕の中でしゃくり
上げている。


「アリエッタ…どうしたんだよ?」


ことあるごとにぐずり、ルークルークと後をついて来るアリエッタだが、こんな
に切羽詰まったような表情で、あまつさえ全力で飛び掛かってくるようなことは
滅多にない。
第二子にして末っ子のルーク、妹のようなアリエッタを放ってはおけないと、ア
リエッタの肩に手を置いて尋ねる。


「ヴァン先生が……。」


ヴァン・グランツ。
アリエッタのクラスの担任教師であり、若いながらも優秀な教師(?)と評判の教師だ。


「ヴァン?あの髭に何かされたのか?!」


ヤローテメーぶっ殺す。
そんなどこぞの腹黒中学生のセリフが頭をよぎったが、アリエッタがふるふると
首を振ったので、一時的にヴァンの命はこの世に繋ぎ止められた。


「今日、忘れ物して教室戻った、ら、
…メシュティアリカフィギュアに頬擦りしてるとこ、見ちゃった、です」

「!!?」

気色悪い。


ちなみにメシュティアリカというのはヴァンの妹にしてクラスの学級委員長。
クールビューティーと名高いティア・グランツのことだ。


(確かに美人で有名だけど…もしかして家じゃ構ってくれないのか?)


想像してみよう。






放課後、夕日に染まる教室。
教員用の机に肘を着き、物憂げに夕暮れ時の赤い空を眺める男——ヴァン・グランツ。
憂鬱そうに深く重たいため息を吐くと、無造作に放り出された鞄に手を伸ばした。
そこには彼の心に安息をもたらす、彼の宝とも呼ぶべきものが大切にしまわれている。
メシュティアリカフィギュア。
彼は本物にも引けをとらぬ美しい造形のそれに頬を寄せ、愛しげに呟く。


「メシュティアリカ…今日もお前の授業態度は美しかったぞ。兄は誇らしい…。」


美しく、凛と微笑むメシュティアリカフィギュアにうっとり語り掛けるヴァン。
その表情に先ほどまでの重く陰鬱な様子はなく、幸せそうな笑みが浮かんでいる。
メシュティアリカフィギュアは、そんな兄の姿を優しく見守っていた。








「…………見守るなーーーーー!!」


思わずがしがしと頭を掻き毟って叫ぶ。
いくら美化して考えても格好よくはならない。むしろ気色悪さが8割増しだ。
黙って聞いていたアリエッタも、心なしか鳥肌を立てている。


「これは…犯罪だな。」

「あとは…む、胸を触ろうとして、鼻息荒くしてました」


よし、そいつ殺そう。
にっこりと、あくまでにっこりと鉄パイプを持ち上げる姿は死神でさえも裸足で逃げ出して行きそうなほどの迫力に満ちていた。


その日、高校教師、ヴァン・グランツが夜道で何者かに襲われ、病院に搬送された。
彼が倒れた傍らには荒らされた鞄と、見るも無残に砕かれた人形の欠片らしきものがバラバラと転がっていたという。




今日の教訓:変質者には気をつけましょう


(月のない夜に闇討ちするのが一番確実です)





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可愛い子と戯れることが生き甲斐です。
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