攫の趣味に偏りまくったブログサイトです。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 中途半端に明るい音を立てて、建物が崩れ去る。 もはや面影すら残すことなく崩壊した街。 その中心に少女と、尻餅をついた男がひとり。 白い柔肌に付着した血痕は、狂気に満ちた美しさを引立てる為の宝石のように。 周囲に倒れ伏す屍は、彼女の絶対的な強さと気高さを讃えるかのように。 淡い桜の唇が、愛らしい微笑みを描く。 彼女の兄弟たちが高々と雄叫びを上げた。 聖域に響く咆哮。 彼女の微笑みが深くなる。 残された男はもはや抵抗する気力もない。 彼女の手に握られた短剣が、男に向かってまっすぐ、勢いよく振り下ろされる。 そしてまた、世界からひとつの街が消えた。 「つぎはどこにする、ですか?」 「どこでもいいよ。どうせ最終的には殆どなくなるんだし」 「シェリダンは避けましょうね。 ルークはあそこの住人たちを気に入ってましたから」 妖獣のアリエッタ。 烈風のシンク。 死神ディスト。 かつてダアトの精鋭、六神将として名を馳せた三人が、瓦礫の街で会話を始める。 心なしかすっきりした顔のアリエッタと比べて、シンクとディストは不満げだ。 「それにしてもアリエッタ、まさか一人で全部やってしまうなんて。 お陰でカイザーディスト・プラチナレベルの出番がありませんでしたよ」 「全くだね。少しくらい僕らにも残してよ」 「ごめんなさい、です。」 うーと眉を下げて唸るアリエッタに、先ほどの狂気じみた様子はない。 あどけない、年に似合わぬ幼さの少女。 少女の中に渦巻く憎悪と悲しみは消えない。 例え彼女が狂気に満ちることとなった元凶を滅ぼしても。 「ねえ。そろそろ、くるかなあ?」 「たぶんね。正義感ぶった奴らだし」 「これだけ派手にやれば来るでしょうねえ」 そっか、と嬉しそうにわらう。 ルークを生贄に英雄になった、愚かな役者たち。 もうすぐ栄光の舞台から引きずり落とすことが出来る。 そう考えると、笑いが止まらなかった。 アリエッタの眸に、ひかりが宿る。 彼女らの耳に届いた不粋なエンジン恩。 それさえもまるで愉快な音楽に聞こえて、三人の口元が緩んだ。 「きたよ」 「きたね」 「きましたね」 瓦礫の中で笑いながら、三人が歩き出す。 英雄たちの悲劇に終演を。 愚者たちの喜劇に終焉を。 ルーク、みてくれてますか。 いま、あなたのかたきをうちます。 アリエッタが一度だけ空を仰ぐ。 奇麗な夕焼けが、ほんのすこしだけ、歪んだ気がした。 優しい焔よ、(どうかそこで待っていて) 7000ヒット代リク第一作目。 リクエストありがとうございました。 PR ![]() ![]() |
カレンダー
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
最新TB
プロフィール
HN:
攫(サライ)
性別:
女性
職業:
学生
趣味:
ゲームとか絵描きとか文書きとか
自己紹介:
いろいろともう駄目かもしれない変な人。
可愛い子と戯れることが生き甲斐です。
ブログ内検索
最古記事
(03/15)
(03/15)
(03/15)
(03/16)
(03/17)
カウンター
アクセス解析
|