攫の趣味に偏りまくったブログサイトです。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 世界が私たちを否定する。 なぜなぜと私たちが問いかけるも、世界は私たちを否定するばかり。 憤慨する者、悲しむ者。私は後者だった。 あんなにも努力したではないか。 それなのにどうして世界を滅びに導くなどと罵られる。 王宮にももはや居場所はない。 王である父でさえ庇いきれないほどの不満の声が上がっている。 離宮に追いやられ、ひとり嘆く日々。 そんなある日、窓からいとしい真紅が飛び込んだ。 ああ、これで解放されると。 根拠もなく、そう思っていた、のに。 がたがたと体が震える。 目の前で笑っている、その少年は確かに自分の幼なじみだ。 癖のない真紅の髪が柔らかに靡く。 弓を構えんとした腕に力が入らない。 自分の知っている頬笑みではないそれが自分に向けられている。 偽物だと王宮を追われた時、慰めてくれたひと。 私を支えてくれた、いとしいひと。 その彼がなぜ、私に、そんな、(冷たい笑みを) 「教えてやろうか、ナタリア」 びくりと体が跳ねる。 やめてやめてやめて、間違いを突き付けないで。 私は正しいの、今まで王女として、王女として、正しくしてきたの。 今さら間違いなどあり得ない。認めてはならない。 いやいやと頭を振る私など構わず、彼は続ける。 「俺が、お前の 敵 だから、 だ よ」 やめて!! 「滑稽だったぜ、ルークよりも敵である俺の言うことを信じる様は。 俺が『ルーク』だと知ったときの、お前の変わり身の早さは! なあ知ってるかナタリア、あいつがいないのは逃げたからじゃない。 死 ん だ からだよ。預言通りに。お前たちが見捨てたせいで。 これでも自分が正しいなどと言えるのか?なあ、メリル。 彼奴がレプリカと知ったときは騙していたなどと責め立てて、 そのくせ自分がいざ同じ立場に立ったらお涙頂戴の茶番劇。 これが誇り高き一国の王女がして然るべきことなんだな、ナタリア?」 恐ろしい。 これが私の知る『ルーク』なのだろうか。 否。明らかにそうではない。 ならば、ならば。 「ぶ、無礼者!!私を陥れようなど、そうはいきませんわ。 アッシュは…『ルーク』は私にそのようなことを言いません。 どうせあなたもレプリカなのでしょう!」 ぽかん。 アッシュの表情が、そんなものに変わる。 そしてその直後、弾けたような笑い声。 「ああ、そうか。お前はやはり俺なんてどうでもいいんだな。 重要なのは過去の約束のみ。それ以外はなんの価値もない、がらくたなんだな。 俺とレプリカの違いも分からないような婚約者様が。 どの口で偉そうに本物だ偽物だと騒ぎ立てるのか」 けたけたと壊れたような笑い声が響く。 恐ろしい。 恐ろしい。 じり、と後ずさり、顔から血の気が引いていくのが分かる。 どうしてどうしてどうして、意味のないことばかりが口から零れる。 喉が引きつれて、足からどんどん力が抜けていく。 今にも座り込んでしまいそうなのに未だ立っているのは、冷たい殺気が私を貫くから。 逃げ出そうとする心とは裏腹に、体は動いてはくれない。 彼が近付いてくる。 目の前まで。 近付いてくる。 近付いてくる、くる、くる。 あたまに、てが、ふれた。 「怯えているのか、ナタリア。婚約者だろう?」 穏やかに見えるその笑顔。 それでも私に向けられた殺気は、変わらず冷たい。 頭に置かれた手のひらにも温度がない。死人のように。 嫌だと本能が叫ぶ。警鐘を鳴らす。逃げろと。逃げろと。 「今はまだ殺さない。お前にはまだ役目がある。 だが、その役目を終えた暁には、そうだ、 俺の手で、優しく 殺 し て あ げ よ う 」 さようならの言葉が重たく響く。 神様、これが聖焔を消した私への罰だというのなら、 どうかあの聖なる灰を母なる大地に還して下さい。 全てが終わった後、せめて迷わず次の世に生まれます様に。 身に見えるものだけが全てでないと (誰が言ったのだろう。いまならその意味がよく分かるというのに) 7000ヒット代リク第二弾。 仲間厳しめというよりナタリア厳しめ…? すいません、いざとなれば書き直す覚悟でいます(フライング土下座) PR ![]() ![]() |
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