忍者ブログ
攫の趣味に偏りまくったブログサイトです。
[26] [25] [24] [23] [21] [20] [19] [18] [17] [16] [15]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


※注意※
・ルークはクイーン殺しに関わっていません
・アリエッタルーク大好きです
・アリエッタが狂ってます
















空気が、凍った。
僕もアリエッタもアリエッタのお友達でさえ動かない。
今、目の前のものはなんて言っただろう。




ルークが、  死  ん  だ  ?




「どういう…こと、ですか」



アリエッタが、ぞっとするくらい冷静な声で呟く。
その声にいつものような弱々しい響きはない。
答えによっては、目の前のチーグルは間違いなく殺されるだろう。
どんなに戦闘経験のない者でもそう分かるくらい、冷たい声だった。



「ご主人様は、障気を中和するためにレムの塔で消えたですの。
皆さん、アッシュさんの方を残すって決めたみたいですの…。
…ご主人様より、被験者が残ってた方が都合がいいって…。
一万人のレプリカといっしょに、光になって、消えちゃったですの…。」



そこまで言うと、地面に伏せてさめざめと泣き出した。
ご主人様、と縋るような声と嗚咽が聞こえる。
心臓の音さえ聞こえてきそうな位静まり返った空間。
チーグルの鳴き声だけが響く空間。
一番最初に動いたのは、アリエッタだった。



「……はっ、あはは、ふふ…あははははは!」



高く揺らがない、狂ったような笑い声が響いた。
なぜだろう、今ここで笑っているのは確かにアリエッタなのに。
どうしてこんなに、別人みたいに思えるんだろう。



「ルークが、死んだ?ころされた?あはははっ、どうして?
どうして被験者のせいで障気がでてきたのに、ルークが?
ママだけじゃたりない?どうしてルークが死ななきゃならないっ!!」



アリエッタ、と名前を呼ぶことすらできなかった。
目の前で笑い続ける少女をそう呼ぶことは、なんだかおかしい気がした。
ひゅっ、と声になりきらなかった息が消えていく。
けたけたと、今度は笑い声だけがそこら中に響き渡った。
透き通って響くそれは、まるで歌声のようだ。



「こわしてやる。ルークをころしたひと、みんな。
苦しんで苦しんで苦しんで、苦しみぬいたあとにしねばいい!!
みんなこわしおわったら、アリエッタもルークのところにいくよ。
そうしたらまたルークにあえる、イオン様にも、ママにだって!」



アリエッタの笑い声につられるように、僕も笑う。
アリエッタの友達も、同じく笑っているようだった。


そうだね、みんな壊れればいい。


留め金を失った僕らは止まることなく動き続ける。
聖なる焔の光が消えた舞台は真っ暗になった。
喜劇は終焉を迎え、これから始まるはグランギニョール。
さあ、悲劇の英雄たちを舞台から引きずり落とそう。
拍手喝采、優越感に浸るのもそこまでだよ。
光を失った英雄の末路を教えてあげる!




血塗られた
小さなアリアは舞台に上る






PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


トラックバック
この記事にトラックバックする:


忍者ブログ [PR]
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新CM
最新TB
プロフィール
HN:
攫(サライ)
性別:
女性
職業:
学生
趣味:
ゲームとか絵描きとか文書きとか
自己紹介:
いろいろともう駄目かもしれない変な人。
可愛い子と戯れることが生き甲斐です。
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析