攫の趣味に偏りまくったブログサイトです。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 (もしもルークがちょっとだけ賢かったら) どうしてこんなことになっているのか。 目の前で繰り広げられている断罪大会(俺からしたらただの私刑だ)を冷めた意識を通して見る。 特にアニスはここぞとばかりに責め立てている。(自分の罪は棚上げにしてるようだ) 「ちょっと、聞いてんの?!」 「聞くに値しないだろ」 これが反省会で、自分達の不徳も認めた上で俺の責任を追及するならいい。 それもしない奴の話なんて誰が聞くか。 「…ッ、あんたってホンットサイテー!どっか狂ってんじゃないのッ?!」 どうやら精いっぱいの罵倒らしい。ボキャブラリーが少ないな。 他の奴らも似たり寄ったり。ただひとり、イオンだけが顔を青くしている。 「アニスっ…ルークは何もしていません!」 「イオン様ぁ、こんなサイッテーな奴、庇うことないですよぅ」 「そうです、イオン様。ルークには罪を自覚してもらわなくては」 罪の自覚、だあ? 「……ははっ、はははははは!!」 おかしくておかしくて、笑いが止まらなくなった。 息が切れて、腹が痛くなるまで、奴らの視線も声も気にせず、笑い転げた。 「ちょっと、何がおかしいの!!」 「ルーク、不謹慎ですわ!このような時に…王族としての自覚もありませんの?!」 「可笑しいもんは仕方ねえじゃん」 はあ、と息を吸い込んだ。(やべ、これ障気じゃん。大分吸い込んじまったよ) 怒りに震える者、奇妙な物を見る目を向ける者。 つまんねえ表情。 「お前ら、考えてみろ。 もし仮に俺がアクゼリュスを崩落させたとする。 なぜ俺はあんなところまでのこのこ行けたと思うんだ?」 「それはっ、あなたが兄の言うことは鵜呑みにしたから…」 「そうじゃなくてさ。どうして俺もイオンも簡単に着いていけたんだ? 護衛のガイは当然俺を、イオンの護衛のアニスはイオンを止めなきゃならなかった。 ティアだってナタリアだってジェイドだって、皆して止めなきゃならなかったはずだ。 なあ、どうして俺をいなくなったことにさえ気付かなかったんだ? …お前らが仕事放ったらかして、助かりもしないような奴に追い打ちかけてたからだろ?」 「追い打ち、とはどういうことですの?!私たちは…」 「救助に必死になってました、ってか? 考えても見ろよ、ここに充満してる障気だって汚染された第七音素だぜ。 障気でいっぱいの場所で治癒術なんて使ったら、障気を吹き込むだけだろ」 「………!」 今気付きました、ってばかりに息を呑む。 あーあ、だめだこりゃ。ジェイドまで同レベルだし。 …和平は無理かな。 「だったら!どうしてその時に言わなかったんだ!」 「お前らが俺に何か教えてくれたかよ? どうして何も教えてくれないような奴らに、俺ばっかりが教えてやらなきゃならないんだ。 どうして教えなかったことを責められなきゃいけないんだよ?」 ガイの顔が見る見る紙のように白くなっていく。 …ティアとかアニス辺りは、理解していない。 イオンが、重々しげに口を開く。 「ルークは、何もしていません。 ツリーは、ヴァンが譜業を使って破壊しました。 …すいません、僕が扉を開いてしまったから…。」 「そ、そんな、イオン様!どうしてそんな…。」 アニスがイオンに向かって手を伸ばす。 しかしイオンはそれを振り払って、逃げるように俺の方へ駆けてきた。 「アニス、貴女たちはルークが破壊したという現場を見ていません。 誰がどのようには破壊したか、見ていたのは僕とルークだけです。 どうして声高にルークを責め立てることができるのですか?」 「そ…れは…アッシュが…」 「アッシュは六神将です。貴女たちの敵でしょう。 …貴女は、僕よりも敵であるアッシュを信用するのですね…。」 悲しげに、でもそれでも冷たい視線を向ける。 その視線をまともに受けたアニスは青くなってその場で硬直した。 そんな中で、ティアだけはまだ喚いている。 俺はため息をついて、タルタロス内部に続く扉を開いた。 「イオン、お前、こんな中じゃきついだろ。中に入ろうぜ」 「すいません…ルーク」 導師を気遣うことを忘れちゃ、導師守護役もおしまいだな。 そう残して、俺たちは体を休めようと中に入った。 確証など何処にも有りはしない PR ![]() ![]() |
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